基本的な準備
システム構成の概要
Evidenceのアーキテクチャ
Evidenceは基本的には、データソース、DuckDB、レンダリングエンジンという仕組みになっています。実際には更に、 静的サイトジェネレータも重要な位置を示しますが、その性質からここには表現していません。以下の図にEvidenceの基本的なアーキテクチャを示します。
まず、データソースからデータが取り出され、共通のデータ形式であるParquetに変換されます。ParquetはDuckDBによって利用されます。 従って、Evidenceで利用可能なデータは基本的にParquetに抽出されたデータに限定されます。 よって、標準的なBIツールのようにOn the flyのクエリを動的に送出してリアルタイムなデータを反映させることは出来ません。 従って、そのような要件が含まれる場合にはEvidenceは適切な選択肢ではありません。
従って、ドキュメントの流れまで含めて、アーキテクチャを図示すると以下のような形になります。
動作環境
Evidenceを動作させるためには、以下の環境が必要です。
- Node.js: バージョン ≥18.13, 20, または 22 が必要です。初めてインストールする場合は、LTS(長期サポート)バージョンの利用が推奨されています。現在のNode.jsのバージョンはコマンド node -v で確認できます。
- NPM (Node Package Manager): バージョン 7 以上が必要です。
- Git: Gitがインストールされている必要があります。Gitがインストールされていない場合は、インストールする必要があります。GitHubへの登録も推奨されています。
これらの要件を満たすことで、Evidenceをローカル環境にインストールし、データプロダクトの構築を開始することができます。
現在のNode.jsのバージョンの確認方法
node -v
最新のNode.jsへの更新方法
scoop update nodejs-lts
npmのバージョン確認方法
npm -v
gitのインストール方法
scoop install git
Evidenceのインストール方法
Evidenceには幾つかのインストールパターンがありますが、ダッシュボード開発時にはVisual Studio Codeと専用の拡張機能の利用が推奨されます。
本アーティクルでは、基本的にはScoopで環境構築を行っています。 scoopがインストールされている場合は以下のコマンドでnode.jsやNPMを展開できます。 scoopを利用することで、バージョンの管理、アップデートは容易になります。
scoop install nodejs-lts
なお、本アーティクル以降ではVisual Studio Codeでの構築を行っていきますので、Visual Studio CodeにEvidenceの拡張機能を導入してください。
また、これらのインストール中にエラーが生じた場合には、そのステップに応じて、ScoopやVisual Studio Code、Evidenceのドキュメントを参照してください。
システム構成の概要
ダッシュボード開発時の典型的な構成は以下のようになります。
Node.js
NPM (Node Package Manager)
Git
Visual Studio Code
- Evidence Extension
必要なツールや環境のセットアップ
従って、Node.js、NPM、Git、Visual Studio Codeがインストール済みとすれば、基本的には拡張機能をVisual Studio Codeにインストールすれば 開発環境は整います。
次回以降では、Evidenceによる簡単なダッシュボードの構築を見ていく予定です。