目的と対象読者
このドキュメントは、Windows環境を前提にEvidenceの利用方法について記述しています。Evidenceは様々な環境で稼働しますが、執筆時点での環境および設定を基準としています。
対象読者
- Evidenceをはじめて利用する方
- Windows環境でのセットアップ利用方法に関心のある方
前提条件
インストール済みのソフトウェア
- Visual Studio Code
- Git
- Node.js
- npm
Node.jsのインストール方法
- Scoopを利用し、執筆時点のLTSを利用しています。
Evidenceのバージョン
- バージョン 40.1.1をターゲットにしています。
Evidenceとはなにか
「Evidence」とは、Markdownで管理できるオープンソースのBI(ビジネスインテリジェンス)ツールです。 具体的には、レポート、意思決定支援ツール、埋め込みダッシュボードなどのデータプロダクトを構築するための オープンソースのフレームワークと説明されています。
Evidenceの主な特徴は以下の通りです。
- コード駆動型BIツール:ドラッグ&ドロップ式のBIツールとは異なり、コード(主にSQLとMarkdown)を使用してデータプロダクトを構築します。
- Markdownで管理: Markdownファイル内でSQLクエリを記述し、コンテンツやレイアウトを管理します。
- 多様なデータソースに対応: データウェアハウス、フラットファイル(例:CSV)、非SQLデータソースなど、さまざまな種類のデータソースを扱うことができます。
- SQLクエリの実行と結果の可視化: Markdownページに記載されたSQLステートメントに基づいてデータソースに対してクエリを実行し、その結果をグラフや表としてウェブサイトに出力できます。Markdown内で使用されるSQLはDuckDBのSQLです。
- 静的サイトの生成 出力は静的なウェブサイトとして生成されるため、デプロイや共有が容易です。npm run buildコマンドで静的サイトを生成し、S3などのホスティングサービスに格納して簡単に共有できます。
- 豊富なコンポーネント: クエリ結果に基づいて、さまざまなチャート(棒グラフなど)、表(DataTable)、大きな単一の値(BigValue)などのコンポーネントをレンダリングできます。
- 高度な機能: テンプレートページによる複数ページの生成、表示内容の制御のためのループやIf/Else文、クエリ結果のフィルタリング機能(Query Functions)なども備わっています。
Evidenceの適する用途
アーキテクチャなどを踏まえての説明は次回以降になりますが、Evidenceは様々な用途に利用可能です。基本的にはOn the flyのクエリーは困難なので、IoTなどの機器からのリアルタイムなダッシュボードには向きません。どちらかと言うと、日次・月次でしめるような処理が適します。従って、売り上げなどの分析が適すると思われます。