ITmediaによれば、

川上量生氏が全額出資するPOPOPOは7月15日、コミュニケーションサービス「POPOPO」の提供を9月17日に終了すると発表した。「今後の事業環境やサービスの最適化を総合的に検討した結果」という。

サービス開始からわずか半年での幕引きである。

POPOPOが半年でサービス終了に至った要因は数多く指摘できるが、最も根本的な問題は「通話相手の不在」、すなわちコールドスタート問題の克服に失敗したことだ。双方向のコミュニケーションサービスは、当然ながら対話する相手が存在しなければ成り立たない。

さらに、このコールドスタート問題と、数千〜数万円という高額なアバター用アイテム(ホロスーツ)の販売というビジネスモデルは、絶望的に噛み合っていなかった。

サービス開始時のインタビューにおける関係者の発言には、根本的な違和感がある。

「でも、試作アプリでアバターの動きをつけてしゃべってみると、やっぱり気持ちいいんです。開発ミーティングもPOPOPOのプロトタイプで行っているんですが、たまにアプリがバグって使えない時にGoogle Meetでやると、つまらなくてガッカリするんです」

GACKT氏が配信しているところに、ひろゆき氏が入ってきて通話し、その様子を一般の人が見る――といった、音声SNS「Clubhouse」でかつて起きたような著名人同士の交流を起こし、ユーザーを集めていくイメージだ。

そもそも、かつて一世を風靡した音声SNS「Clubhouse」自体がブームを継続できず、急速に過疎化していった過去がある。そのビジネスモデルを今さら踏襲すること自体に無理があったと言わざるを得ない。

著名人を起用した配信やキャンペーンは、初期のトラフィックを集める呼び水にはなっても、サービスの永続性には寄与しない。ユーザー同士が自発的に繋がり、コミュニティが自律的に形成される仕組みがなければ、待っているのは過疎化とサービス終了である。

新規サービスが直面する「誰もいない」という最初の崖(First Cliff)を、POPOPOは最後まで突破できなかった。

そして、この崖からの転落は、ユーザーにとって極めて不条理な結果をもたらす。購入された数百円から数万円に及ぶホロスーツは、サービス終了とともにすべて無に帰す。これらはソーシャルゲームの「ガチャの副産物」ではなく、その世界で身につけるために明示的に購入されたデジタルアセットであるにもかかわらずだ。

悪い意味で、POPOPOの幕引きは、コンテンツの価値ではなく集金効率のみを追求し、短期間でクローズしていく日本式のモバイルゲーム(いわゆるガチャ課金型ゲーム)と同様の不誠実さを感じさせる。