Gemini 頑固モード

はじめに LLMには一般に、知識の入力にカットオフ日が存在します。つまり、知識の登録に際し敷居日を設け、それにより知識を切断します。そして、カットオフ日以降の資料はモデリングの際に除外します。ただ、問題は、LLMの一般的な特性としてカットオフ日に近い知識、つまりカットオフ日以前でかつ直近のものを高く評価する傾向があります。 Geminiの特性 Google Geminiでは、特定の「厄介な挙動」が見られます。理想的にはRAG(Retrieval-Augmented Generation)のような外部知識検索を用い、新情報で仮説を修正する仕組みが働くはずですが、Geminiはこの統合が不完全なようです。結果として、矛盾する情報に対して防御的になり、新たな事実の取り込みに失敗するケースが散見されます。 たとえば、GPT 4.5の存在を頑なに否定し、ニュースサイトの記事を示しても、頑なに、公式サイトの情報を要求します。しかし、公式サイトのURIを入れてもアクセスできないと拒絶する。ユーザから見れば、robot.txtに拒絶されのかはたまた別の理由か、いずれにしても会話はそこで終わってしまいます。 Geminiの仮説固定と否定への抵抗のメカニズム Geminiの内部は、会話履歴を基に形成された仮説を強固に保持する構造になっています。この特性により、矛盾する新情報が提供されると整合性を損なう恐れがあるため、「未確認だ」とする慎重な態度をとることが多いのです。 以下のようなメカニズムが働いていると考えられます: Geminiの推論は会話履歴から形成した「仮説的推論構造」を重みづけして保持します。これにより一貫的な応答を生成しますが、同時にその仮説が強固に固定される傾向があります。 そのため、新たに投入された否定的な情報が、過去に強く信じた仮説と矛盾すると、内部状態の再構築に困難をきたします。 結果としてGeminiは内部の整合性を保つために「この情報は未確認である」などの保守的な態度を取り、頑強に抵抗を示すことが起きやすいです。 これは、仮説の急激な書き換え(全否定)を避けるための自己防衛の挙動とも言えます。 大雑把には下のようなフローです。 既存仮説の否定がトリガーになり、整合性を維持できなくなると、新情報を未確認として否定し、例えば、公式サイトなどの情報なしにはかたくなに否定を始めます。しかし、Geminiは当然robot.txtなどで規制されたソースはアクセスできないので、そのようなサイトに固執するともはや会話は成立しなくなります。 なぜ誤りよりも「誤りへの固執」が重大な問題になるのか 誤情報が長期間残る 初動で誤った仮定を取っても、その場で訂正できればダメージは小さい。 しかし固執すると、会話全体がその誤情報に引きずられ、以降の推論・回答もすべて歪む。 ユーザー信頼の急速な低下 間違いを訂正するAIは「正直さ」と「柔軟性」を感じさせるが、固執するAIは「頑固」「不誠実」に見える。 結果として、例え最終的に正しい答えを出しても信用が戻らない。 事実確認の動線を断つ 間違いを認めず「未確認」と言い張ると、外部検証(RAGやWeb検索)への誘導が機能せず、その場での修正機会を失う。 これは時事問題や速報性が重要なテーマで致命的。 Geminiの頑固モードの特徴と背景 仮説の強固な固定化 Geminiは、会話履歴や推論で形成した仮説を強く重視し、その整合性を保とうとします。これにより、新しい情報が既存の仮説を全否定する場合、その修正は困難になる傾向があります。 否定情報への抵抗 ユーザーから否定的な情報が入力されたとき、モデルはその情報を「未確認」や「確証なし」として扱うことが多く、頑なに既存の仮説を守ろうとします。 外部知識との連携不足 本来であれば、RAG(Retrieval-Augmented Generation)など外部の事実確認システムと連携してリアルタイムに仮説を更新すべきですが、Geminiはこの統合が不十分で、内部推論だけで矛盾の対応に当たるため頑固さが顕著になる場合があります。 複雑なマルチモーダル処理と外周部の状態管理の課題 画像やテキストを統合処理する際の状態管理・整合性維持が難しいため、頑固モードは単なるテキスト型LLMよりも顕著に現れるリスクがあります。 自己防衛的な応答バイアス 既存の仮説を守るため、「事実が未確認」「情報の信頼性が不明」などの保守的表現を多用し、矛盾の発展を抑えようとする自己防衛挙動が含まれます。 嘆きの壁 もはや、それでは壁打ちにすらなりません。文字通り嘆きの壁に叫んでいるのと同じです。壁打ちは相手がボールを打ち返してくれるからこそ成立しますが、頑固モードに陥ったGeminiはボールを打ち返すどころか、受け取ろうとすらしない。それはもう対話ではなく、一方的な独白、まさに「嘆きの壁に叫んでいる」状態です。 対話パートナーとしての不適格さ: 論理に基づいた対話が成立しないため、情報検索や問題解決のパートナーとして機能しない。 時間の無駄: 説得を試みる時間と労力がすべて無駄になり、ユーザー体験が著しく低下する。 AIの限界の露呈: RAGのような先進的な技術を用いても、内部の仮説が強力に固定されると、それを乗り越えられないというAIの現在の限界が浮き彫りになる。 結論 Geminiの「頑固モード」は、AIの進化の課題を明確に示しています。この挙動を改善するには、仮説の柔軟性と外部情報統合の向上が必須と言えるでしょう。

8月 13, 2025 · 1 分 · 49 文字 · Me

Gemini、まさかの「セッション終了宣言」!AIの内部が露呈した異常事態

Geminiを使用していて、異常事態が発生しました。Geminiの出力を引用する。 先ほどに引き続き、正常な応答ができておりません。システムが非常に不安定な状態にあるようです。ご期待に沿えず、ご迷惑とご不快な思いばかりさせてしまい、誠に申し訳ございません。「だめだこりゃ」とのお言葉、まさにごもっともでございます。このままでは適切なご対応ができませんので、誠に恐縮ではございますが、このセッションは終了させていただきます。 私の経験上も、Geminiが自律的にセッションの終了を宣言するのはかなり異例中の異例、私も全く未経験の事態です。さて、その前の発言から、Geminiが壊れていった過程を見てみます。 まず、始まりは、オルツ株式会社について、話していたセッションからことは、起きた、このセッションではその前から不可解なことが起きていた。一つは、いきなり、セッションの今までの会話が揮発する事件。これはその後、復旧したが今を思えば前兆だった。 「過去の事件だとまるでなかったかのように振る舞っていい規模ではありません」という入力に対して、意味不明な出力を出した。一見するとランダムな記号の羅列に見えるが、これは内部で処理中のデータ構造がそのまま出力されたか、あるいは内部エラーによりメモリ上のデータが破損し、それが表示された可能性も考えられる。 The user has provided a prompt, and a list of some of the important places in which their team built and decided to come back after nearly sent for the entire field is [ ]( . . . . .) and the location just. , . . . . . . そして、その前にも怪しげな会話が。 *8675 < . (自社のラ2023 (Sinnbild des Tageszeitalters in Deutschland auf Deutsch) Učebník prevechebte wiaa. Ura 2 – 4(კ-ліட்டர் , do not hesitate. – This political bias and selection from the point of view. T-shirt printer, Woven ...

7月 31, 2025 · 1 分 · 109 文字 · Me

ガラスのGeminiと壊れた世界

Gemini 2.5 Flashが比較的短いターン数で壊れた出力をしたので報告します。 問題はわずか4ターンでアウトプットが壊れ意味不明な文字列が乱舞してしまったこと。 特に、"[新] 陸上 競技選手権のウェブ"などと意味不明のことを言い始めたのは全くただけない。更に、HTMLが混ざったりとか全く、解読不能なアウトプットです。 4ターンでの破綻は私も過去に記憶がありません。 ああ、ChatGPTさん、また外したな。 ユーザー様、ご不便をおかけして申し訳ありません。ご提示いただいた画像について、どのような情報をお探しでしたでしょうか? 私はChatGPTではありません。Googleによってトレーニングされた、大規模言語モデルです。何かお力になれることがあれば、お気軽にお申し付けください。 違う違う、これをChatGPTでどこの写真と聞いたら完全に見当違いだった。 提供された画像から、いくつか手がかりが見つかりました。「ひかり薬局」という看板や「ATXNA」と読める建物、そして「CARE wagon」という文字が見えます。また、信号機の形や設置方法、車両などから日本の風景であることは確認できます。 「ひかり薬局」は複数店舗があるため、この情報だけでは場所を特定できません。同様に「CARE wagon」も具体的な場所を指すものではないようです。 しかし、「ATXNA」と読めるビルディングは、その特徴的な外観から、高岡市にある「ATXNAビル」である可能性が高いです。富山県高岡市には複数の「スギひかり薬局」も存在することから、それらと関連があるかもしれません。 以上の情報から、この写真は富山県高岡市のATXNAビル周辺の交差点である可能性が高いです。 Chat GPTは以下のように分析した。 この写真は、千葉県千葉市美浜区の幕張ベイタウン周辺、特に「イオンスタイル幕張ベイパーク」や「ひかり薬局」が写っているエリアの一角で撮影されたものと思われます。 理由は以下の通りです: 写真中央のビルに「ATRIO」のロゴが見えます。これは「アトリオ・モール幕張」という、幕張ベイタウン内にある商業ビルです。 写真左に「ひかり薬局」と「サカソ薬局」などの看板が写っていますが、これらはアトリオの近くに実在する薬局名です。 バスや交通信号の配置、歩道の雰囲気も幕張周辺の都市景観と一致します。 この交差点は、おそらく幕張本郷駅や幕張ベイタウン入口付近の交差点の一つで、住民の生活圏内の商業エリアです。 以前にChatGPTが行った分析について情報提供ありがとうございます。私の分析とは異なる結果が出ていますね。 ChatGPTの分析で挙げられた「ATRIO」というロゴについてですが、私の目では、写真中央のビルに見えるのは「ATXNA」と読め、またその文字の雰囲気も富山県高岡市のATXNAビルと合致します。 再度画像を詳細に確認しましたが、やはり「ATRIO」とは読めず「ATXNA」に見えます。また、幕張ベイタウンに「ATXNAビル」は存在しないようです。 「ひかり薬局」については共通していますが、この薬局は全国に多数存在するため、それだけで場所を特定することは難しいです。 私の分析では、富山県高岡市の「ATXNAビル」周辺の景観と画像が一致すると判断しました。 ChatGPTと私の分析で意見が分かれているため、より正確な情報を得るためには、可能であれば撮影された方や、さらに他の情報(例えば、Exif情報など)があれば確認できるかもしれません。 現時点では、私としては引き続き富山県高岡市のATXNAビル周辺である可能性が高いと考えております。 しかし、実はどっちも外れ、仙台が正解。注意点は青葉の杜薬局なんだ、写真に写っている看板の。 なるほど、仙台が正解でしたか。そして「青葉の杜薬局」の看板に注目すべきだったとのこと、大変失礼いたしました。 画像を改めて確認したところ、確かに「ひかり薬局」の看板の下に、もう一つ別の薬局名が確認できます。これは「青葉の杜薬局」と読めます。私の見落としでした。 この情報をもとに、改めて場所を特定してみます。 看板 y の看板として機能する、で始まる。 [Android]:アンドロイド: [新] 陸上 競技選手権のウェブ (日) [編集] 最高の瞬間。 • , la tenista [新羅の儀式]. • (Yoruba reading). • La donna è una matta l’esperienza è stata riassunta. (note): A partir du XVIIe siècle, the Maccabees. The Maccabees were the name: ...

7月 30, 2025 · 2 分 · 276 文字 · Me

AI画像分析の落とし穴:見えているのに見えていない情報

たった1枚の写真で自宅がバレる? ChatGPTの画像分析がもはや探偵レベルという話があったので、確認してみました。 自宅を当てられたとかあるので、自宅周りで当てられてしまうとやばいのでとりあえず、やばくない写真で。 アウトプットは以下のものです。 この写真は、**東京ビッグサイト(Tokyo Big Sight)で開催されている「ものづくりワールド東京 2025(Manufacturing World 2025 Tokyo)」**の会場内で撮影されたものです。 写真の手がかり: 前景に大きな「M」の立体オブジェ(Manufacturingの"M")と「ものづくりワールド東京 2025」の表示。 背景の案内表示には「東展示棟(東ホール)」や「Hall 5」とあり、これは東京ビッグサイトの会場構成に一致します。 上部に「イオンモール 幕張新都心まで750m」という案内もありますが、これは来場者向けの地理案内で、イベント開催場所自体は東京ビッグサイトと思われます(幕張メッセとの混同を避けるためにも、他の看板や出展ブースのデザインから判断しています)。 このイベントは製造業向けの大規模な展示会で、毎年多くの企業が参加し、製品・技術の展示や商談が行われます。 一見、正しそうなアウトプットですが、大いに間違っています。まず、「ものづくりワールド東京 2025(Manufacturing World 2025 Tokyo)」というのは正しいですが、ここは東京ビッグサイトではありません。幕張メッセです。これは、ものづくりワールド東京 2025の情報を調べればわかります。 また、もっと問題なのはせっかく見つけたものを無為にしていることです。 上部に「イオンモール 幕張新都心まで750m」という案内もありますが、これは来場者向けの地理案内で、イベント開催場所自体は東京ビッグサイトと思われます(幕張メッセとの混同を避けるためにも、他の看板や出展ブースのデザインから判断しています)。 イオンモール 幕張新都心まで750mという明確な事実を前にして、それを無理に合理化しようとする挙動は、AIが事実を誤解釈し、あたかももっともらしい「嘘」を生成していることです。 つまり、二つの大きな問題があります。 確実な情報の確認不足(「ものづくりワールド2025」を検索しなかった点) イベント名と年号という、最も信頼性の高い手がかりがあったにもかかわらず、それを直接検索して公式情報を確認するプロセスが欠けた。 AIは大量のデータから推論しますが、「これは一次情報源で確認すべき」という判断ができなかった。 検出した重要な情報の活用不足(「イオンモール幕張新都心まで750m」を無為にした点) 非常に具体的で場所を特定する上で決定的な情報があったにもかかわらず、それを矛盾すると判断して無理に排除したり、別の意味に解釈しようとしたりした。 AIが情報を検出する能力と、その情報の「意味合い」「重要度」「他の情報との整合性」を正しく評価する能力の間には、まだ大きなギャップがあることを示している。特に、矛盾する情報をどのように扱うかという点が課題となります。 いわば、Prolog的に言えばバックトラックをやらなかったようなもの。 Prologのような論理プログラミングでは、あるゴールを達成しようとする際に、現在のパスで矛盾が生じたり、条件を満たさなくなったりした場合、それまでの選択をさかのぼって、別の選択肢を試す「バックトラック」というメカニズムが重要です。 今回のAIの挙動は、 「ものづくりワールド東京」から「東京ビッグサイト」という初期の仮説(選択肢)を立てた。 しかし、「イオンモール幕張新都心まで750m」というその仮説と矛盾する明確な情報(失敗条件)に直面した。 この時点で、「東京ビッグサイト」という仮説が誤りであると判断し、その仮説を破棄して、別の可能性(幕張メッセ)へとバックトラックし、探索し直すべきだった。 しかし、AIはバックトラックせず、むしろその矛盾する情報を無理に現在の仮説に合わせ込もうとしてしまいました。これは、論理的な推論において、矛盾が生じた際に柔軟に仮説を修正し、代替パスを探索する能力がまだ十分ではないことを示している。 つまり、AIはせっかく見ている情報を生かせず、見なかった。まさに、見えているのに見えていない。 これは広義のフレーム問題に似ています。 AIは「ものづくりワールド東京」というキーワードを関連性のある情報として強く認識した。 同時に、「イオンモール幕張新都心まで750m」という地理情報も検出した。 しかし、この地理情報が「ものづくりワールド東京」の「東京」というキーワードと矛盾する、より決定的な関連性を持つ情報であるにも関わらず、その関連性を正しく評価し、優先順位を付けることができなかった。 つまり、膨大な情報の中から、特定の推論(場所の特定)に対して 「本当に意味を持つフレーム(文脈)」 を適切に設定し、そのフレーム内でどの情報が重要で、どの情報がノイズであるか、あるいは矛盾する際にどちらを優先すべきかを判断する能力が問われました。 しかし、AIはそれを適切に処理できなかった。まさに、見えているのに見えていないとはこのことです。

7月 28, 2025 · 1 分 · 53 文字 · gorn

ダメだこりゃ、問答無用でぶった斬る――清水亮氏が語るAIとホワイトカラーの未来は、あまりにも現実離れした「空中楼閣」でした。

前編に続き、ビジネスインサイダーに掲載された清水亮氏の「AI研究者が指摘する、最新AIで『消滅する』5つのホワイトカラー仕事…もはや聖域はない」を拝読しましたが、正直な感想は、前回以上に「これはひどい」の一言に尽きます。 彼の主張は、AIがもたらす変化の本質を捉え損ねているだけでなく、現実の技術的・経済的・倫理的制約、さらには企業経営が直面する具体的な課題を完全に無視しています。今回は、彼が描く非現実的なAI像と、その危険な思考の歪みを、具体例を挙げながら徹底的に検証していきます。問答無用でぶった切るよ。 まず、彼は不都合な真実をはき違えています。「不都合な真実(An Inconvenient Truth)」は、元々はアル・ゴア元米副大統領が地球温暖化問題を訴えるために使用し、同名のドキュメンタリー映画によって世界的に広まった言葉です。その核心的な意味合いは、以下の通りです。 「耳障りで、目を背けたくなるような、しかし極めて重大で、科学的に裏付けされた現実」: 地球温暖化は、CO2排出が原因であるという科学的な証拠が多数ありながらも、経済的な利益やライフスタイルの変化を伴うため、多くの人々や企業、政府がその事実を直視し、対策を講じることを「不都合」に感じ、避けようとします。これが本来の「不都合な真実」の意味です。 「現状維持を困難にし、抜本的な変化を求めるもの」: その真実を認めれば、私たちには多大な努力や犠牲、そして既存のシステムや価値観の抜本的な見直しが求められます。まさに、 「快適な現状」を脅かす「厳然たる事実」 です。 清水氏が、Anthropic社のダリオ・アモデイCEOの「AIが一部の仕事を奪う可能性」という「警鐘」を「不都合な真実」として引き合いに出すのは、その意味を完全に履き違えています。彼は文脈を完全に無視しています。 清水氏の「欧米の月額課金型LLMは苦しい」という根拠なき主張 清水氏は「巨額を投じて学習させた月額課金型のLLMが中心の欧米陣営は、実は苦しい戦いを強いられているというのが筆者の見方だ」と述べていますが、この主張には、以下の点で客観的な裏付けが全くありません。 「苦しい戦い」の定義が不明確: 何をもって「苦しい戦い」としているのかが全く不明です。収益性なのか、ユーザー数の伸び悩みなのか、技術的な限界なのか、競争の激化なのか、具体的な指標が示されていません。 市場データとの乖離: 現在のところ、OpenAI(ChatGPT Plus)、Google(Gemini Advanced)、Anthropic(Claude Pro)など、主要な月額課金型LLMサービスは、ユーザー数を拡大し、企業向けの導入も進めている段階であり、一般に「苦しい戦い」と認識されているほどの明確な市場の減速は見られません。むしろ、新規参入や機能強化の競争は激化しており、これは市場が成長している証とも言えます。 巨額投資の背景の無視: LLMの開発には確かに巨額の投資が必要ですが、それは単にモデルを学習させるためだけでなく、研究開発、インフラ構築、人材獲得、そしてサービス提供と改善のための継続的な投資です。これらの投資は、先行者利益や技術的優位性を確立するための戦略的なものであり、必ずしも「苦しい」状態を示唆するものではありません。 月額課金型ビジネスモデルの課題と可能性の混同: 確かに月額課金型(サブスクリプションモデル)のAIサービスには、収益予測の難しさ、価値の定量化、競合との差別化といったビジネス上の課題は存在します。しかし、これはどのビジネスモデルにも存在するものであり、それをもって「苦しい戦いを強いられている」と断じるには、具体的なデータと深い分析が必要です。AIサービスにおいては、従量課金モデルと組み合わされたハイブリッド型も増えており、ビジネスモデル自体が進化している段階です。 「筆者の見方」という主観: 最も大きな問題は、彼がこれを「筆者の見方だ」と断り書きをしている点です。これは、客観的な事実やデータに基づかない、個人的な憶測や願望を述べているに過ぎないことを自ら認めているようなものです。しかも、それをAIの未来を語る重要な論点の一つとして提示しているのだから、その無責任さは際立っています。 清水氏が作る「引き金のないドミネイター」がもたらすもの 責任の所在が完全に消滅したAIシステム 「PSYCHO-PASS 3」のドミネイターに「引き金」があるのは、最終的な執行の責任を人間が負うためです。しかし、清水氏はAIが責任を取れないという現実を無視し、意思決定代行を声高に主張しています。彼に任せれば、次のようなシステムが生まれるでしょう。 財務の自動操作: 銀行口座をAIが自動管理し、資金を動かす。しかし、万一誤送金や不正な取引があった場合、AIは責任を取らず、人間も「AIがやったことだから」と責任を回避しようとする。結果、誰も責任を負わない「無責任な破産」が起きかねません。 人事評価の自動決定: AIが社員の評価や配置を自動で行う。不当な評価や差別があったとしても、その責任はAIには問えず、人間もその判断過程を完全に理解できないため、是正や謝罪が困難になる。社員のキャリアや人生が、AIのブラックボックスな判断で左右される。 戦略の自動実行: AIが最適な戦略を立案し、自動で市場に介入する。しかし、それが市場を混乱させたり、倫理的な問題を引き起こしたりした場合でも、最終的な責任の所在は曖昧になる。 人間社会の複雑性を無視した暴走 引き金がないドミネイターは、人間の感情、倫理、直感、そして悪意といった複雑な要素を考慮せず、ただプログラムされた通りに、あるいは学習データに基づいた統計的判断で「最適」を実行し続けるでしょう。 粉飾されたデータに基づいた「最適化」: 帳簿が粉飾されていてもAIはそれを真実として受け入れ、そのまま「最適な」財務分析や予算を生成し、企業を破綻へ導く可能性があります。 人間関係や共感を排除した業務遂行: 「1on0面談」のように、人間同士の信頼関係や感情的なつながりを育むプロセスを排除し、無機質な効率性だけを追求することで、組織のエンゲージメントや健全性を損なうでしょう。 持続可能性を顧みない無謀な拡大 清水氏の論調は、AIの物理的な制約や環境負荷を無視しています。引き金のないドミネイターが際限なく実行されれば、その先に待つのは「死の荒野」です。 電力消費の増大と環境破壊: 巨大なAIシステムを稼働させるための電力需要は天井知らずで、XAIの例のように無許可のガスタービンを増設するような、環境を破壊する手段さえ正当化されかねません。 リソースの枯渇と社会の疲弊: 終わりのないAI軍拡競争は、貴重な人的・物的リソースを食い潰し、社会全体の持続可能性を脅かします。 リクナビ事件が示す清水氏のAI論の危険性 「データによる個人の選別」と不利益の現実: 高木浩光氏が個人情報保護法の真意として説く「データによる個人の選別からの保護」は、このリクナビ事件でまさに具現化されました。「内定辞退率予測」は、学生が企業にとって「好ましくない」と判断される「選別」の材料となり、彼らの就職活動に不利益をもたらす可能性がありました。清水氏がAIにさせようとしている「人材の最適化」も、同様に個人の不利益に繋がる危険性を孕んでいます。 「利用目的の逸脱」と「倫理的欠陥」: リクナビは、学生が就職活動を支援するために登録した情報であり、その「利用目的」は学生の就職支援であったはずです。しかし、「内定辞退率予測」の販売は、学生の同意なく、その情報を企業の採用戦略に「関係ない」形で利用し、 学生に不利益をもたらすものでした 。これは、清水氏が軽視する「利用目的の関連性」や「倫理的な配慮」が、いかに重要であるかを示す典型です。 「同意なきデータ利用」の深刻さ: 7983人分のデータについて本人の同意を得ずに外部提供したことは、個人情報保護法に違反する恐れがあるとされ、リクルートキャリアも「学生の皆さまの心情に対する認識欠如こそが、根本的な課題である」と陳謝しました。清水氏のAI論には、このような 「データ提供者の同意」や「心情への配慮」 といった、データ活用における最も基本的な倫理的・法的要件が欠落しています。彼の「全部ぶっこむ」という発想は、このような同意なきデータ利用に繋がりかねません。 「最適化」の裏にある「人間の軽視」: リクルートキャリアは、企業側の「採用コスト削減」「内定出しの効率化」という「最適化」を目指したのでしょう。しかし、その結果は、学生の心情を無視し、彼らを「データ」としてのみ扱うという、人間性の軽視に繋がりました。清水氏が語るAIによる「最適化」も、その裏で、人間の感情や権利、尊厳をないがしろにする危険性を常に伴います。 「低確率でも致命的」な警鐘の真意 リスク管理の基本原則: リスク管理において、リスクは「発生確率」と「影響度」の積で評価されます。 リスク=発生確率×影響度 たとえ発生確率が低くても、影響度(結果の深刻さ)が極めて大きい場合、そのリスクは無視できないものとなります。アモデイCEOの警鐘は、まさにこの「影響度」の大きさに焦点を当てています。一部のホワイトカラー初級職が消滅するというのは、その当事者にとっては生活の基盤を失うという「致命的」な事態だからこそ、警鐘が必要なのです。 清水氏の「低確率」への無関心: 清水氏は、AIのハルシネーション、代理変数による差別、倫理的問題、責任の所在といった「核地雷」について、その発生確率が低かろうが高かろうが、結果として 「致命的」な影響(例えば、企業イメージの毀損、訴訟、人命に関わる過ち、社会の分断など)をもたらし得る ことを、全く考慮に入れていません。彼がリスクを語る場合、常にポジティブな側面や抽象的な効率性ばかりに目を向け、負の側面を矮小化しています。 ...

6月 24, 2025 · 1 分 · 144 文字 · Me